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私立大学の入学定員が基準緩和へ|仙台校
2022年06月07日
【私大の入学定員緩和】◎仙台駅前の塾・真友ゼミ仙台校スタッフによる高校受験・大学受験勉強方法・進路受験情報ブログ!
記事タイトルにある通りですが、私大入試を考えている方にとって大きな方針転換となりそうです。
少し順を追って見ていきましょう。
私立大学の入学定員の基準が厳しくなった理由
現在、私立大学の入学者定員は基準が厳格化されています。
それにより首都圏の人気私大は軒並み入学定員数が減り、近年は入学難易度が高くなっています。
これは、「首都圏の私大に若者が集中するのを避けよう」という地方創生の一環として行われてきました。入学者が定員の1.1~1.3倍以上になると国から私大に与えられる補助金がカットされるため、私大は方針に沿って対応してきました。
こちらでもう少し詳しく書いています➡こちら
基準を緩和しようと考えた理由
今回、その定員数の基準を緩和する方針を決めたと報じられています。
気になる基準緩和の理由は、「追加合格を減少させるため」とのことです。
これまで大学は、「一定数の入学辞退者がいるだろう」と想定し、定員より多く合格を出してきました。それが基準が厳しくなってからは徐々に合格者数を絞ってきました。
そのような状況なので、例えば想定よりも多くの辞退者が出て入学者数が減りそうになった場合、基準に触れない程度まで学生(授業料収入)を確保しようと追加合格を出す大学が近年増えてきました。
通常、私大一般入試の合否は2月中旬~下旬ごろに行われます。
例えば第2~3志望に合格し、第1志望は補欠合格。
当然第1志望の大学に入学できるに越したことはないので、少しの望みをかけて繰り上げ合格の連絡を待ちたいところです。
しかし、もし繰り上げ合格ができなかった時も考えて、すでに合格している第2~3志望の大学への入学手続きもしなくてはいけません。その手続き上で発生するのが入学金の納入です。
入学金の納入期限は、おおよそ合格発表があって1週間~2週間以内です。
そして、追加合格の連絡は、おおよそ3月下旬~末頃が多いです。
と、いうことは追加合格を待っていたら第2~3志望の合格が白紙になってしまいます。
そのため、まずは合格した大学の入学手続きを済ませますが、もし第1志望の大学に繰り上げ合格できたとしても、すでに支払った第2~3志望の大学の入学金は返還されません。
つまり、追加合格が増えたことにより、支払うべき入学金が増えた=受験生の経済的負担も増えたということです。(すでに支払った第2~3志望の入学金+第1志望の入学金)
さらに、受験生によっては合格後のアパート探しもしなくてはいけません。追加合格を待っていたら進学後の住居探しも遅れてしまいます。
このように受験生側の負担が増えてきていることから、「追加合格を減らそう=入学定員基準を緩和しよう」となったようです。
基準緩和の内容は
それでは、どのように緩和をするのか。
これまでは毎年の入学定員を基準としてきましたが、緩和後は全学年の総定員数で判断するように運用を変えるようです。
つまり、例えばある年度の入学者定員を大きく超えてしまった場合、翌年以降に入学者数を減らせば基準をクリアできるということです。
受験生目線で気になるのは、年によって合格の難易度が変わらないかという点です。
単純に入学定員数が増えれば合格する可能性は上がりますし、定員数が絞られれば狭き門になります。そうすると、今後は前年の入学者数も志望校選びの基準になりそうです。
現時点でわかっていることは以上となります。
この緩和の導入時期は検討中とのことです(一部報道では23年春入試から導入とも)
私大入試を考えている方は、今後の動向に注目したいところです。