ゼミブログ
古文の読み方⑥|東三条駅前教室
2020年07月30日
~古文文法の勉強方法~
古文の読み方⑥~他の係助詞~
前回は疑問・反語の意味を持つ係助詞「や(やは)」「か(かは)」について紹介しました。
◆前回
古文の読み方⑤~疑問・反語表現~
今回は他の係助詞について紹介します。
今回、紹介するのは、「強意」の意味を持つ係助詞の「こそ」「ぞ」「なむ」です。
「強意」とは、字の通り「意味を強調する」働きを持っています。また、「強意」の意味を持つ助詞は訳さなくてよい場合が多いです。
では、いくつか例文を見てみましょう。
①この女をこそ得め。 訳:この女を(こそ)妻にしたい。
②水はその山に、三ところぞ流れたる。 訳:水はその山に、三か所も流れている。
③身はいやしながら、母なむ宮なりける。 訳:身分は低いが、母は内親王であった。
これらの例文のように「強意」の係助詞は、「や」「か」のような特定の訳し方というものはありません。
ここで気になるのが、どうして同じ「強意」の意味を持つ係助詞が三つもあるのかということです。
意味が同じであれば一つだけでいいじゃないか!と思いませんか?
でも、ちゃんと三つ必要な理由があるんです。その理由とは、「強さの程度の違い」です。
「こそ」「ぞ」「なむ」いずれも意味は「強意」であり、この語のついた上の語句を強めます。強さの程度は、「なむ」<「ぞ」<「こそ」の順に強くなります!
以上が「強意」の助動詞「こそ」「ぞ」「なむ」の紹介でした。
さて、前回と今回で係助詞について紹介してきました。
そこで、それらと一緒に覚えてもらいたいものがあります。
それは、「係り結びの法則」というルールです!
これが、どんなルールなのかというと、係助詞「ぞ」「なむ」「や」「か」が使われるときは、文末が連体形に変化し、「こそ」が使われるときは、文末は已然形に変化するというものです。
言葉の説明だけではイメージしづらいので、具体的な例文を見てみましょう。
①少し春ある心地す。←この文に「こそ」を追加すると以下のように変わります。
①少し春ある心地こそすれ。
このように「こそ」が加わることで、文末が終止形「す」から已然形「すれ」に変わっています。これが係り結びの法則です
では、他の例文も見てみましょう。
②ただ波の白きのみ見ゆ。+「ぞ」
→ただ波の白きのみぞ見ゆる。
②の例文は、「ぞ」が加わることで、文末が終止形「見ゆ」から連体形「見ゆる」に変わっています。
つまり、係り結びの法則で大事なことは、
「ぞ」「なむ」「や」「か」→文末が連体形
「こそ」→文末が已然形
となることを理解することです。
以上が係り結びの法則の解説でした。
次回は助動詞について解説をします!