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同位体と原子量とは|長岡校
2022年08月30日
【同位体と原子量】◎長岡駅前の塾・真友ゼミ長岡校スタッフによる高校受験・大学受験勉強方法・進路受験情報ブログ!
同位体と原子量
今回は化学の「同位体」について解説していきます。
特に「原子の(各同位体の)」原子量つまり相対質量から、「元素の」原子量を求める過程は非常に重要です。
意外と理解できていない人も多いので、この記事を読んで理解を深めていきましょう!
<原子量には2種類ある>
実は原子量は2種類あります。それは、「原子の(各同位体の)」原子量と「元素の」原子量です。
<原子と元素はどう違うのか?>
原子は粒に着目する時の呼び方、元素は種類に着目する時の呼び方です。
もう少し具体的に説明すると、原子は1個1個のとても小さな粒のことで、元素は原子の種類のことです。
<相対質量とは?>
質量数12に炭素原子12Cの質量を基準(12)とした相対値
例えば質量数が35の塩素原子の質量は 5.808×10-23 g なので、相対質量は 12×5.808/1.993 ≒ 35 と求められます。
これが質量数35の塩素「原子の」原子量です。
このように質量数12の炭素原子を基準にとることで、各原子の質量数と原子量(相対質量)はほぼ一致します
<同位体とは?>
原子番号(陽子数)が同じで中性子の数が異なる原子同士を互いに同位体と呼びます。
陽子の数と中性子の数の和を質量数と言うので、同位体同士は質量数(質量)が異なるとも言えます。
また原子番号が同じなので、同位体同士の化学的性質はほぼ同じです。
<塩素の相対質量から存在比を求めよう>
【問】天然の塩素は、35Clおよび37Clの2種類の同位体からなり、その原子量は35.5である。また、35Clおよび37Clの相対質量は、35.0および37.0である。このとき35Clの天然存在比は何%か。
[考え方] 塩素35のものが100%存在すれば原子量は35になります。
しかし、原子量は問題に35.5と書いてあります。なぜそうなるのか?それは塩素37も存在しているからです。
塩素には質量数35の塩素原子と質量数37の塩素原子という2つの同位体が存在するので、それぞれの同位体の存在比というおもみを考慮して、これら「原子の(各同位体の)」原子量の平均を求めます。
35Clの天然存在比をX%、37Clの天然存在比を(100 – X) %おくと以下の式が成り立つ。
35.0×(X/100) + 37.0×(100 – X/100) = 35.5
X=75 %
よって相対質量35の塩素原子の存在比は75%、相対質量37の塩素原子の存在比25%であることがわかります。
「相対質量×存在比」の和をとれば塩素「元素の」原子量を求められることから、相対質量を計算したり、原子量を計算する問題は多いです。
ここまで理解できている方は少ないので、是非マスターしておきたい分野ですね!
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