ゼミブログ
世界史チャレンジ問題!②|高田駅前教室
2021年08月21日
【世界史の問題にチャレンジしてみよう!】◎新潟駅・東三条駅・六日町駅・長岡駅・上越高田駅・仙台駅の塾、真友ゼミの講師陣による大学受験勉強方法ブログ!
激ムズ☆世界史チャレンジ!! 第2回
第2回 ギリシア世界 ~問題編~
以下の文章を読み、問いに答えよ。
紀元前508年、アテネではほぼ半世紀に及ぶ( a )父子の僭主政が倒された後、(1)貴族と平民を市民(国民)として統合することを目的とした改革をクレイステネスが断行して、以後約2世紀にわたるアテネ民主制の基盤を築いた。
アテネはペルシア戦争ではギリシア軍の中心となって、(2)前490年の( b )でペルシア軍を退けると、( c )の指導のもとに多くの軍船の建造を行い、前480年の( d )でもペルシア軍に勝利を収めた。この後アテネは、ペルシアの再来に備えて自らが盟主となってデロス同盟を結成した。
(中略)前5世紀の半ばには、将軍に選ばれたペリクレスのもとで、(3)アテネでは徹底した民主政が実現するとともに、デロス同盟の加盟諸国に対する支配が強化されていった。
問1 空欄a~dに語句を入れよ。
問2 下線部(1)はどのような内容の改革だったのか、120字以内で説明せよ。
問3 下線部(2)の戦いで活躍した古代ギリシアに特有の戦士(兵士)は何と呼ばれていたか、その名称を記せ。
問4 下線部(3)のアテネの民主制についてはどのような特徴があったか、60字以内で説明せよ。
第2回 ギリシア世界 ~解答編~
今回の出題校は首都大学東京(今は東京都立大学!)
では早速解説!民主政完成までの流れをザッと見てみましょう!
①元々アテネの身分構成はこう 市民(貴族>平民)>>奴隷 市民は平等貴族が偉い!=貴族政
②貴族「俺らの慣習が法律だ!」 ドラコンさん「それはおかしい」 →B.C.7C ドラコンの立法 :「俺らの慣習」を成文法に
③貴族「参政権はイイ家柄の奴だけ!」 ソロンさん「それもおかしい」 →B.C.594 ソロンの改革 :財産政治(カネがあれば家柄不問!) 負債帳消し→借金が返せず奴隷化(債務奴隷化)防止
④(a)ペイシストラトス「ヌルい改革チマチマやんなよ!」 →非合法に政権奪取、独裁。→僭主政 ※民衆には支持された
⑤「…でもやっぱり独裁はダメだろ」byクレイステネス →陶片追放(オストラキスモス):僭主になりそうな奴を選挙で追放。 部族制再編:貴族の大好きな家柄による4部族制を廃止 代わりに居住地(デーモス)に基づく10部族制導入。 ※「デーモス」はデモクラシーの語源。 五百人評議会創設:↑の10部族から50人ずつ人を集めた議会。民会を補佐。 ※「民会」は市民総会。のちの最高機関。 逆に貴族の牙城は「アレオパゴス評議会」 |
…最初は貴族様が超偉かった。
そこから徐々に民主化していきますが、ここでペルシア戦争が勃発。
すると改革どころじゃない…?むしろ逆です。
⑥ギリシア植民市がペルシアに反乱 →ペルシア戦争勃発!
⑦B.C.490 (b)マラトンの戦い :マラソンの語源。平民からなる重装歩兵が大活躍!ギリシアの勝利。
⑧B.C.480 テルモピレーの戦い :スパルタ軍、300人で奮闘! ※映画にもなりました 数の差は覆せずギリシアの敗北。
⑨B.C.480 (d)サラミスの海戦 :アテネ軍vs.ペルシア軍。(c)テミストクレスが海軍の指揮。 無産市民が三段櫂船の漕ぎ手として大活躍!ギリシアの勝利。
⑩B.C.479 プラタイアの戦い :最終決戦。ギリシアの勝利。 |
ここで、無産市民をはじめとする平民が大活躍しました。
これが決め手となり、市民は皆平等な民主政になりました。
では、当時の民主政の特徴はというと、
①民会が最高機関
②直接民主制
③官職はなんと抽選
④市民のみ →奴隷・在留外人×
⑤成人のみ →未成年×
⑥男子のみ →女性×
と、成人男性市民限定、しかも奴隷制はガッツリ残った「民主政」でした。
今の感覚では少しモヤりますが気にしたら負けです(笑)
これで全問分の解説完了です!
該当箇所は下線を引いたのであとは書くだけ!Let’s try!
解答:
問1:a ペイシストラトス b マラトンの戦い c テミストクレス d サラミスの海戦
問2:僭主の再出現を防ぐため陶片追放制を導入し、貴族制度の基盤となっていた血縁的4部族制を廃止、代わりに居住地(デーモス)に基づく地縁的10部族制を導入した。また、このデーモスから議員を集め五百人評議会を創設し、民会の補佐に当たらせた。
問3:重装歩兵
問4:民会を最高機関とし公職を抽選で決める直接民主制だったが、対象は成人男子市民で、奴隷や女性、在留外人に参政権はなかった。