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世界史チャレンジ問題!③|高田駅前教室

2021年08月25日

【世界史の問題にチャレンジしてみよう!】◎新潟駅・東三条駅・六日町駅・長岡駅・上越高田駅・仙台駅の塾、真友ゼミの講師陣による大学受験勉強方法ブログ!

 

 

激ムズ☆世界史チャレンジ!! 第3回

 

 

 

 

第3回 ローマ世界 ~問題編~

 

 

問1 前3世紀~後1世紀の間、ローマ帝国は征服戦争を行い版図を拡大したが、これはローマ社会にどんな変化を与えたか。以下の語を全て使い100字程度で説明せよ。

 

重装歩兵  属州  無産市民  公有地  奴隷制大農場

 

 

問2 グラックス兄弟の改革の内容と結末について70字程度で説明せよ。その際、彼らが復活を企図した法の名前を文中に含めること。

 

 

問3 元首政(プリンキパトゥス)成立から専制君主政(ドミナートゥス)成立までの歴史を、以下の語を用いて150字程度で説明せよ。

 

ルマン人  皇帝礼拝  四帝分治  属州  ローマの平和

 

 

問4 キリスト教がローマ皇帝に迫害された理由と、後に公認された経緯と理由を、公認した皇帝の名前に触れつつ120字程度で説明せよ。

 

 

問5 古代オリンピックが後4世紀末に廃止された理由を70字程度で説明せよ。

 

 

 

 

今回は旧帝大の過去問に、真友ゼミ謹製の問題を加えた混成軍!
でもそこまで難問ではないので、臆せず挑戦しましょう!

 

 

 

 

 

第3回 ローマ世界 ~解答編~

 

 

■問1 解説

 

まず、前3世紀から後1世紀の間に版図がどれ程デカくなったか見ていきましょう。

 

B.C.3~2C…ポエニ戦争         →属州シチリアGET

B.C.2C  …ユグルタ戦争         →ヌミディア支配下へ

B.C.1C  …ガリア遠征 by カエサル    →ガリア支配下へ 『ガリア戦記』はこの記述。

A.D.1C  …アクティウムの海戦(オクタウィアヌス vs. アントニウス+エジプト女王クレオパトラ)

      →アントニウス&エジプトを破る

 

…ローマはものすごい勢いで拡大します。
そして社会構造も変化します。その変化が問1の答えです。

 

①戦争が続く   →重装歩兵も元は市民(中小農民)

          農地は戦乱で荒れ放題

②版図拡大    →属州増=属州の安い作物流入!

            …農民「やってけねーよ…」→離農、無産市民化

一方、富裕層は公有地を私物化

   →奴隷使って奴隷制大農場(ラティフンディウム)=格差拡大!

 

 

■問2 解説

 

次のテーマはグラックス兄弟。をどうにかしようとした護民官。

彼らの改革内容(問2の骨子)は次の通りです。

 

 

 

公有地占有を制限 →奴隷制大農場(ラティフンディウム)は×

②富裕層から没収した土地を無産市民に分配

 →大地主は大激怒 →改革は頓挫

 

次に、復活を企図した法ですが、

 

①十二表法           …主に民法

②リキニウス=セクスティウス法 …コンスルの内1名は平民から、公有地の占有制限

③ホルテンシウス法       …平民会の議決が国法に

 

改革内容とダブってるのがありますね。それが正解です。

 

 

 

■問3 解説

 

元首政~専制君主政までの歴史の説明です。

問3は書く事が多い割に字数が少ないので、説明は大雑把でOK!

 

 

①元首政成立~五賢帝期:ローマの平和

   →その後、財政不振と悪政        …帝国の秩序崩壊

ゲルマン人、ササン朝の侵攻       =軍団活躍→発言力向上

属州軍…各々勝手に皇帝擁立(軍人皇帝時代)、先帝は殺す  …クーデター連発、帝国分裂の危機

④ディオクレティアヌス「皇帝は神、クーデター許さん」 →皇帝礼拝で権威回復

           「ワンオペ統治無理、4人でやる」 →四帝分治で秩序回復

 

 

 

■問4 解説

 

問4は、まず迫害の背景から見ていきましょう!

 

■キリスト教   …一神教

■ローマの宗教 …多神教、歴代皇帝も神扱い

         =神々と皇帝を崇拝 …宗教観が相反

          →キリスト教徒「皇帝崇めたくない!」

           ローマ帝国「無礼者!」 →迫害

 

次に公認の理由をチェック!

 

キリスト教徒は民族・身分を越え増加 …味方にしないと帝国滅ぶ!

 →コンスタンティヌスがミラノ勅令でキリスト教公認

 

 

 

■問5 解説

 

最後は古代オリンピックの問題!4世紀末の中止にもキリスト教が関係します。

 

テオドシウス…いよいよキリスト教国教化!(A.D.392)

        …ゼウス神を祀るオリンピックは×

 

 

 

 

解答

 

問1 主に中小農民からなる重装歩兵は、長期に渡る戦争に疲弊し、また属州からの安価な穀物流入から離農が進み無産市民に転落。一方、富裕層は公有地を私有地化し奴隷制大農場を運営、市民間の貧富の差が拡大した。

 

問2 リキニウス=セクスティウス法の復活により公有地占有を制限し、大土地所有者の土地を無産市民に分配しようとしたが、大地主層の反発にあい失敗した。

 

問3 元首政成立から五賢帝時代はローマの平和と呼ばれたが、その後悪政等で秩序が崩壊。一方侵入するゲルマン人・ササン朝に対抗したことから軍の発言力が向上、属州軍が各々皇帝を立てる軍人皇帝時代に突入。帝国は分裂の危機に陥ったが、ディオクレティアヌス帝が専制君主として君臨、四帝分治皇帝礼拝で秩序を回復させた。

 

問4 一神教のキリスト教徒は、多神教で皇帝も崇拝対象とするローマの国家祭儀への参加を拒絶したため、反社会勢力とされ迫害された。しかし社会階層・民族差を越えて広がるキリスト教の支持が統一維持のため必要となり、コンスタンティヌス帝により公認された。

 

問5 392年にテオドシウス帝がキリスト教を国教化し、他宗教の信仰を禁じたことから、ゼウス神を祀る祭典であった古代オリンピックは衰退した。

 

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