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2022年度から高校は新学習指導要領へ|新潟駅前教室
2022年01月08日
【2022年4月入学から新学習指導要領】◎新潟駅・東三条駅・六日町駅・長岡駅・上越高田駅・仙台駅の塾、真友ゼミのスタッフによる受験・進路ブログ!
いよいよ2022年4月に入学する高校1年生から新しい学習指導要領での勉強がスタートします。
学習指導要領とは、簡単に言うと「子どもたちをこんな風に教育していこう!」と、文科省が定める教育カリキュラムの基準となります。すべての学校で、この基準をもとに授業をしていくわけですね。
この学習指導要領は、時代背景や社会から求められる力を考慮して考えられるので、約10年ごとに改訂がされています。
改訂の目的と概要
まずは簡単に今回の改訂の目的と背景について。
情報化や技術の発展スピード、グローバル化などの変化が早い近年。
そんな激動の社会に子どもたちが順応していけるように、真に「生きる力」が身につくようになることを目的として学習内容やカリキュラムを改訂していきます。
実社会で活かせる知識や技術、とっさの対応力を育成していきます。
知識や技術はもちろん、思考力や判断力、表現力、人間性を養っていきます。
主体的、対話的に学ぶアクティブラーニングに注目していきます。
新時代に必要となる能力を育成する科目の新設や目標の見直しをします。
これらの改訂の方向性は、すでに共通テストにも反映されていますね。
高校の学習内容はどう変わる?
さて、高校生や保護者の方からすると改訂背景よりも受験に関わってくる内容の方が気になるかと思いますので、ここでは各教科の主なポイントをピックアップします!
■英語
先輩たちや保護者世代では「リスニング」と「読み書き」が中心でしたが、それに加えて「話す」がさらに濃くなり、いわゆる「英語4技能」が本格化します。
新たに「論理・表現(Ⅰ~Ⅲ)」という科目が加わり、外国語を使った発信力(書き出す、スピーチ、プレゼンテーションなど)を高める学習をします。
入試問題もこの傾向に沿うことが予想できます。
英文を読んで自分の考えを英語で話したり、英文を耳で聴いて自分の考えを英文で書き出したりなど、4技能を複合的に扱うことが考えられます。
■数学
数年前に姿を消した「数学C」が復活し、数学Ⅲと数学Bの一部の内容を数学Cに移すことになります。受験科目としては、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」はそのままに、「数学Ⅱ」と「簿記会計」などは廃止となり「数学Ⅱ・B・C」の1科目になります。
(数Bと数Cがそれぞれ2項目あり、そこから3項目選んで解答させる予定)
すでに共通テストでも色が出ているように、読解力や思考力が問われる問題もより濃くなりそうです。「実社会に役立つ数学」をテーマに授業の仕方も変わっていきそうです。
■国語
現代文においては「実社会で必要となる国語能力」の育成をはかるようになります。
共通テストの例題のように、契約書や広報誌の文章、説明書、法令文章など、実用的な文章の題材や図や表に対する解答を求める問題を扱うようになります。それに対する解答の仕方も実用的な力を付ける訓練になりそうです。
また、日本の言語文化を深く学ぶようなカリキュラムもあります(「言語文化」という科目) 古典においては「古典探究」という新たな科目に統合されます。言語文化と同じく、より深く日本の言語文化を学んでいきます。
■理科
目立って大きな変化はありません。
今と同じように基礎科目と専門科目があります(「物理」と「物理基礎」など)
■地歴公民(社会)
地歴分野においては、現行のAとB(日本史A・日本史Bなど)が無くなり、「総合」と「探究」の2つに分類されます。
「地理総合」と「歴史総合」が必修科目として新たに登場。
「地理探究」「日本史探求」「世界史探究」が選択履修となります。
全員が地歴をひとまず学ぶようになりそうです。
公民分野でも科目の構成が少しだけ変わります。
「現代社会」が無くなり、必修科目として「公共」が登場します。
■情報
情報Ⅰと情報Ⅱを設置しています。
情報Ⅰは必修科目で、Ⅱは選択となります。
すでに共通テストにも「情報」を盛り込むことが決まっており、内容は必修となる情報Ⅰから出題されます。
大学入試センターにサンプル問題が載っていますが、プログラミングや統計に関する問題が見受けられます。
■理数(新設教科)
新たな共通教科として新設されます。
科目は「理数探究」「理数探究基礎」の2科目。
具体的な学習内容ですが、自然現象や科学技術、社会的な事象、自然環境などのあらゆる分野を数学と理科の考え方や手法を混ぜ合わせて探求していく科目になります。仮説を立て、実験・観察・調査をし、結果や結論を報告書にまとめて発表するなど、まるで大学のような学習をしていきます。
日ごろから意識して
今回の改訂では
・外国語(英語)への教育強化
・理数系への教育強化
・思考力と表現力の教育強化
・実社会で役立つ力の教育
これらが目立つ改訂内容になります。
今までのように広く浅い知識だけを暗記して機械的に解答していく勉強や入試から大きく変わります。特に「物事を深く考える力」と「自分の考えをうまく表現する力」は、日ごろの訓練の積み重ねです。
また、「数学が苦手だから・・・」「英語が苦手だから・・・」と文理選択をすることは通用せず、全員が”英理数”を深く取り組むようになりそうです。
これからの社会で生きる力をつけるために改訂される学習内容ですので、2022年4月以降に高校生になる皆さんには頑張ってもらいたいです。今まで通りの勉強はもちろん、日ごろから文章を読んだり、よく考えたりなどの訓練もしていきましょう!