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化学基礎ワンポイント学習法⑩|三条校

2022年05月26日

【酸化剤・還元剤】◎三条市・東三条駅前の塾・真友ゼミ三条校スタッフによる高校受験・大学受験勉強方法・進路受験情報ブログ!

 

 

 

前回は酸化還元の話をしました。
今回はその知識をフル活用する「酸化剤・還元剤」の話をしていきます。

 

 

酸化剤・還元剤とは何なのかというと

 

 

相手の物質を酸化する物質を「酸化剤」

相手の物質を還元する物質を「還元剤」

 

 

といいます。

 

酸化剤は相手の物質から電子を取る能力がある物質、原子状態の酸素を出しやすい物質、水素を受け取りやすい物質などです。酸化剤自身は還元されやすい物質です。

 

還元剤は酸化剤の逆で、相手の物質に電子を与える能力がある物質、原子状態の酸素を受け取りやすい物質、水素を出しやすい物質などです。そして、還元剤自身は酸化されやすい物質です。

 

 

どっちがどっちだけ?と混乱しやすいところですが

 

自分が還元した  = 相手を酸化した = 酸化剤として作用した

自分が酸化された = 相手を還元した = 還元剤として作用した

 

と考えられるようにしましょう!

 

 

 

酸化還元反応には電子のやりとりが関係していました。

 

原子またはイオンが電子を失う→酸化された

原子またはイオンが電子を受け取る→還元された

 

これで酸化還元反応について酸化されたのか還元されたのかを考えましょう。

 

 

 

酸化還元反応を具体的に見ていきましょう。

 

フッ素F2と硫化水素H2Sの酸化還元反応は、次の式で表すことができます。

 

 

F2 + H2S → S + 2HF

 

 

この反応において、H2SはF2にHを与えて還元させているので還元剤、反対にF2はH2SからHをとって酸化させているので酸化剤です。

 

このように、酸化剤と還元剤を用いて酸化還元反応を表した式を「酸化還元反応式」といいます。

 

酸化還元反応式は、酸化剤に関する(仮の)反応式と、還元剤に関する(仮の)反応式を組み合わせることによって作られています。

 

仮の反応式はこのようになります。

 

 

酸化剤: F2 + 2e → 2F

還元剤: H2S → S + 2H+ + 2e

 

 

この、酸化還元反応式を作る際に必要な酸化剤・還元剤に関する仮の反応式のことを「半反応式」といいます。

 

 

半反応式の作り方はこの手順で進めます。

 

 

①酸化剤(還元剤)が何から何になるのかを書く

何から何になるのか…これは覚えるしかありません!

 

②両辺について、OとH以外の原子の数を合わせる

 

③両辺について、O原子の数をH2Oを用いて合わせる

 

④両辺について、H原子の数をH+を用いて合わせる

 

⑤両辺について、電荷をeを用いて合わせる

 

 

この5ステップです。

 

 

それでは実際にやってみましょう。

 

 

二クロム酸カリウムに関して

 

①酸化剤(還元剤)が何から何になるのかを書く

 

 

Cr2O7-2 → Cr3+

 

 

ここは暗記しないといけないところ!

 

 

②両辺について、OとH以外の原子の数を合わせる

 

 

Cr2O72 → 2Cr3+

 

 

③両辺について、O原子の数をH2Oを用いて合わせる

 

 

Cr2O72 → 2Cr3+ + 7H2O

 

 

④両辺について、H原子の数をH+を用いて合わせる

 

 

Cr2O72 + 14H+ → 2Cr3+ + 7H2O

 

 

⑤両辺について、電荷をeを用いて合わせる

 

 

Cr2O72 + 14H+ + 6e → 2Cr3+ + 7H2O

 

 

というように半反応式を作ります。

 

 

今回の知識は酸化還元反応式を作るのに必須になるのでできるようになるまで何度もやってみましょう!

 

 

次回は酸化還元反応式の立て方をやっていきたいと思います。それでは!

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