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〔古文の勉強方法〕知っておくと役立つ助動詞の雑学|長岡校
2025年07月17日
【古文の助動詞の勉強方法・暗記方法】
こんにちは。
真友ゼミ長岡校の山口です。
今回は、古文を勉強する上での助動詞のワンポイントアドバイスをしましょう!
完了の助動詞について
皆さんは、「つ」「ぬ」「たり」「り」が何の助動詞か覚えていますか?
そう。「完了」の助動詞ですね。
学校の授業でも必ず学習し、定期テストでも必ず出題されるとても大事な助動詞です。
訳し方は「~した・~してしまった」でしたね。
ところで、皆さん、こうは思ったことはないですか?
「なんで完了の意味だけで4つも助動詞があるの?」
「全部覚えるのめんどくさい」
活用形もバラバラ、3つは連用形接続だったり、「り」だけ已然形接続だったり、頭が痛くなります。
でも、ちゃんと区別しなきゃいけない理由があるんです。
区別する理由さえちゃんと知っておけば、古文の文章を訳すときにも「とりあえず訳してみたけど、なんかしっくり来ないな~」というモヤモヤが減ることでしょう。
今日はこの知っておくと便利な完了の助動詞の意味の違いについてレクチャーします!
完了の助動詞の意味の違い
・「つ」「ぬ」
上代(奈良時代~平安時代初期)の動詞に「うつ」(捨てるという意味)というのがありますが、助動詞の「つ」はこの「うつ」が変化したものだといわれています。
「捨てる」という意味から、「動作や状態が人の手を離れる」=完了する、というイメージで使われるようになりました。
このことから、助動詞の「つ」は人が意思を持って行う動作、例えば投げるや話すという意図的な動作に付くことが多いです。
一方で「ぬ」はナ変動詞の「去(い)ぬ」が変化して助動詞となったといわれています。
「去ぬ」は文字通り「消える・去る・いなくなる」という意味なので、動詞とくっつくことで「(消えていくように)自然と動作が終了する」=完了する、というイメージで使われるようになりました。
人の意思が介在しない動作、例えば花が咲くなどの動詞にくっつくことが多いです。
☆まとめ1
「つ」は意図的な動作や状態が完了すること。
「ぬ」は自然で自発的な動作や状態が完了すること。
・「たり」「り」
先ほど説明した完了の助動詞「つ」の連用形「て」に、動詞の「あり」がくっついて、「て+あり」に、それが縮んで「たり」になったといわれています。
「り」はそもそも動詞の「あり」が縮まって「り」になったといわれています。
さて、ここでワンポイント。
先ほど「つ」「ぬ」は完了の助動詞だということは説明しました。
しかし、あくまで「完了」の助動詞でしたよね?
ところが「たり」「り」は「完了」(~してしまった)という意味のほかに、「存続」(~している)という意味もあったのを覚えていますか?
「~してしまった」と「~している」って意味的に真逆なのに、なんで同じ単語になってるんだろう?
不思議ですよね??
その理由が上に書いた、動詞「あり」があるからなんです。
「花咲きたり」なんていう文も、「花が咲きて+あり」=「花が『咲いて(しまって)+あり』」だから「花が咲いている」と訳せばいいんです。
「花が咲いた」とか「雨が降った」などの結果が今も続いている様子をイメージすればOKです。
ちなみに「花咲けり」だと、「今まさに花が咲いている(=開花の真っ最中)」という意味になって「~している」(存続)の意味がよりダイレクトに伝わります。
☆まとめ2
「たり」は動作の結果が今も残って続いていること。
「り」はまさに今動作が続いていること。
今回は助動詞の雑学として、完了の助動詞を4種類紹介しました。
頑張って暗記することは変わりませんが、イメージや解釈のコツが分かれば、暗記や読解の助けになるでしょう。
今後も、こんな学校では教えてくれない古文の知識をアップデートしていきますので、次回もご期待ください。
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