ゼミブログ
世界史チャレンジ問題⑧|上越高田駅前教室
2021年09月23日
【世界史の問題にチャレンジしてみよう!】◎新潟駅・東三条駅・六日町駅・長岡駅・上越高田駅・仙台駅の塾、真友ゼミの講師陣による大学受験勉強方法ブログ!
激ムズ☆世界史チャレンジ!! 第8回
第8回 イスラーム世界① ~問題編~
問1 イスラーム教のスンナ派とシーア派の教義の基本的相違について100字以内で説明せよ。
問2 アッバース朝の性格をウマイヤ朝と比較して、90字以内で説明せよ。解答に当たっては以下の語句を全て用いること。
地租 人頭税 アラブ人
問3 以下のイスラーム勢力による対外征服について、次の問いに答えよ。
A. ウマルがニハーヴァンドの戦いで( 1 )に勝利した。
B. タラス河畔の戦いで( 2 )の軍隊と戦い勝利した。
C. トゥール・ポワティエ間の戦いで( 3 )と戦うが撤退した。
D. イベリア半島のゲルマン人国家である( 4 )を滅ぼした。
(1) 空欄1~4に入る国名をそれぞれ答えよ。
(2) A~Dの出来事を、起きたのが早い方から順に並べ替えよ。
第8回 イスラーム世界① ~解答編~
さて、今回は短文論述に加え、並べ替え問題も加えてみました(タテ・ヨコの繋がりをきちんと把握していないと解けません)。
出典は問1:北海道大、問2:みんな大好き新潟大、問3:真友ゼミ上越高田校の鈴木謹製です!
では早速、通史確認、いってみよう!
イスラーム教…ヒジャーズ地方(アラビア半島西部、紅海沿岸)のメッカにて クライシュ族・ハーシム家のムハンマドが創始した一神教 …610年 布教開始!
当時のメッカ…多神教徒が多数 →対立が発生、激化 …ヤバいので622年、メッカ脱出! →北西のメディナへ。 これを聖遷(ヒジュラ)といいます ヒジュラ以降、イスラーム教徒は共同体(ウンマ)を作るようになった →このウンマの成立という意味でヒジュラは超重要 …故に、622年=イスラーム暦元年、になってます!
逃亡先のメディナ…ユダヤ教徒(一神教)がいっぱい! 実はイスラーム教は、ユダヤ教から派生した宗教!(※) ユダヤ教、及び分派のキリスト教・イスラーム教をまとめて 「アブラハムの宗教」なんて言ったりもします。 →ムハンマド「ワンチャン仲良くなれねーかなー」 しかし教義が違うので、ユダヤ人とも対立…(T_T) 結局ユダヤ教とも決別したウンマ…元いたメッカを630年に征服!
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(※)ムハンマドに啓示を与えたのは天使ガブリエルです。キリスト教の「受胎告知」の天使がここでも出てくるのです!マジか!
ここまでが、ムハンマドが生きていたころのお話です。
では次に、ムハンマドの没後もいってみよう!
ムハンマドの没後…信者「ウンマの後継者を選ばなきゃ!」 →この後継者をカリフと言います。 カリフは当初、選挙で選ばれました。こうやって選ばれたカリフを 正統カリフと言います。 正統カリフは、以下の4人!
①アブー・バクル:初代正統カリフ。シリア、イラク方面に勢力拡大。 この征服活動をジハードといいます。
②ウマル :ビザンツ帝国と戦いシリア・エジプトを獲得 ササン朝ペルシアとも戦う(642年:ニハーヴァンドの戦い)
③ウスマーン :↑のウマルが戦ったササン朝にトドメを刺す 『クルアーン』成立はウスマーンの頃
④アリー :ムハンマドのイトコ。しかも娘のムコでもある!
アリーは、過激派のハワーリジュ派によって暗殺されます。 その好機に乗じ、アリーの政敵、ウマイヤ家のムアーウィヤがカリフの座に! 以後カリフは世襲化し、正統カリフ時代は終わってウマイヤ朝が成立します(661年) |
ここで押さえたいVIPが第4代のアリーです!
彼はアブー・バクルを抑えて初代カリフになったかもしれない人物でした。
しかし実際そうはならず、やっとカリフになったと思ったらムアーウィヤとモメた挙句殺害、と悲劇的な結末を迎えました。
なので、アリーの支持者は「正統カリフ」も「ムアーウィヤ」も認めない!と主張しました。
このアリー支持者をシーア派(シーア・アリー(アリー派)が元)と言います。
一方、「ムアーウィヤはウェルカムで正統カリフも認める」人々はスンナ(預言者の慣行)派といいます。
次に、ウマイヤ朝成立以降のイスラーム世界を見ていきましょう!
ムアーウィヤ…661年にウマイヤ朝を建て、カリフを称する →以降ウマイヤ家の世襲となる ウマイヤ朝の都…ダマスクス(現シリアの首都)
ウマイヤ朝期…正統カリフ時代に輪をかけてイスラーム勢力拡大!! ①イベリア半島(現スペイン)侵攻…711年、西ゴート王国を倒す ②そのままフランク王国(現フランス)へ …732年のトゥール・ポワティエ間の戦いに敗れ撤退
ウマイヤ朝の統治の特徴…とにかくアラブ人が超偉い!=アラブ人第一主義 →アラブ人は税金ナシ! 非アラブ人は宗教問わず課税…
これに、非アラブ人のイスラーム教徒(マワーリー)が不満をもつ →アッバース家のアブー・アルアッバースがウマイヤ朝を倒し、アッバース朝を興す(750年) ※ちなみに、この翌年アッバース朝は何気に唐とバトってます(751年:タラス河畔の戦い)
アッバース朝(都:クーファ→のちバグダードを建設。現イラクの首都) アラブ人第一主義を改め、ムスリム平等主義をうちだした ①地租(ハラージュ):アラブ人はナシ!→みんな払ってね! ②人頭税(ジズヤ):アラブ人はナシ!→イスラーム教徒ならナシ! ※ジズヤさえ払えば仏教徒でもゾロアスター教徒でもヨシ!
アッバース朝のVIP…①アブー・アルアッバース(建国者) ②マンスール(第2代カリフ、バグダード建設) ③ハールーン・アッラーシード(第5代カリフ、最盛期) …この時代がかの有名な『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の舞台になりました。 |
ここまでチェックしておけば全問解けるはずです!
というわけで、後は書くだけ!Here we go!
解答
問1
スンナ派は預言者の慣行に従い共同体の統一を重視し、正統カリフ及びウマイヤ朝のカリフを認めるが、シーア派は、第4代正統カリフのアリー及びその子孫のみを指導者として認め、他の者は認めない立場をとっている。
問2
ウマイヤ朝ではアラブ人が免税特権を独占していたが、アッバース朝ではアラブ人であっても地租が課される一方、イスラーム教徒であれば人頭税が免除されるというイスラーム平等主義に変じた。
問3
(1) 1:ササン朝(ササン朝ペルシア)
2:唐
3:フランク王国(メロヴィング朝)
4:西ゴート王国
(2) A→D→C→B