世界史チャレンジ問題⑬|上越高田駅前教室

2021年11月11日

【世界史の問題にチャレンジしてみよう!】◎新潟駅・東三条駅・六日町駅・長岡駅・上越高田駅・仙台駅の塾、真友ゼミの講師陣による大学受験勉強方法ブログ!

 

 

激ムズ☆世界史チャレンジ!! 第13

 

 

 

 

第13回 中世ヨーロッパ編② ~解説編~(続き)

 

 

今回で、長かった慶應の問題(改題)の解説を完了します!

今回は問2の後半から行きます。

 

◆前回

世界史チャレンジ問題⑫|上越高田駅前教室

 

 

 

 

 

問2 以下の設問に解答せよ。

 

(4)6世紀初頭、コンスタンティノープルをはじめ、ビザンツ帝国内のいくつかの地に総主教座がおかれていたが、この内、かつてセレウコス朝シリアの首都であったのはどこか。

 

(5)アラブ勢力は、636年にシリア属州、642年にエジプト属州の支配権をビザンツ帝国から奪い取った。このときのカリフは誰か。

 

(6)11世紀以降、軍事奉仕を条件として公有地の管理権及び徴税権を貴族層に付与する、プロノイア制がビザンツ帝国では発展したが、この制度は後に、オスマン帝国のティマール制に影響を与えたと言われている。ティマール制において徴税権を認められたものは誰か。

 

 

 

 

 

 

 

問2-(4)

 

まず、総主教座がどこに置かれたかを確認します。

 

 ①ローマ

 ②コンスタンティノープル

 ③アンティオキア

 ④イェルサレム

 ⑤アレクサンドリア

 

これらを「五大総主教座」と言います。

この内、セレウコス朝シリアの首都に該当するものは…アンティオキア一択です。

 

 

 

 

問2-(5)

 

なかなかハードルの高い問題が来ました。

 

661年(ウマイヤ朝成立)より前なので、正統カリフの4名までは絞り込めますが、そこからが問題です。カリフの交代ペースが早いので、「630年代→ムハンマド没後すぐ→アブー=バクルだ!」とやると外します。

 

 

まず、各カリフの業績を確認しましょう。

 

年号

カリフ

業績

632

アブー=バクル

シリア・イラクへジハード(聖戦)展開

しかし間もなく病死

634

ウマル

ビザンツ帝国と交戦・勝利

636年シリア、642年エジプトを奪う

ササン朝と交戦し642に勝利(ニハーヴァンドの戦い)

644

ウスマーン

651年 ササン朝を倒す

この頃、『コーラン』成立

656

アリー

ムハンマドのイトコかつ娘婿。

シーア派は彼及びその子孫のみを指導者と認める

 

上表より、「636年にシリア属州、642年にエジプト属州の支配権をビザンツ帝国から奪い取ったカリフ」は、勿論ウマルだと分かりますね。

 

また、ニハーヴァンドの戦いの年号を覚えていれば、そこと紐づけて「642年だからウマル」と判断することも可能です。

 

 

 

 

 

問2-(6)

 

「プロノイア制って何!?」から始まる人も多いかもしれません(笑)

制度の概要は問題文にありますが、少しわかりにくいので、ビザンツ帝国の制度の変遷と併せて解説します。

 

 

①屯田兵制

 

7世紀に制定。

イスラーム勢力(これも7世紀に興る)の圧迫に対抗するための国土防衛策。

制度の概要:(1)農奴(コロヌス)に土地を与え、自作農に格上げ

      (2)一方彼らに軍役を課し、有事の際は従軍させる

 

※三国時代の中国(魏)でも、流民に土地を与える屯田制がありました。

 

 

②軍管区(テマ)制

制度の概要:屯田兵の土地を軍管区という単位に分割

      1人の司令官が1個の軍管区を統括

 

 

このうち、②軍管区(テマ)制が変質して、

 司令官が統括→地方貴族が統括

 貴族は軍事奉仕の見返りに徴税権を得る

に変わりました。こうしてできた制度をプロノイア制と言います。

 

 

そして「軍事奉仕の見返りに徴税権を得る」という制度は、イスラーム圏でも見られました。

 (1)イクター制  …ブワイフ朝が創始。

 (2)ティマール制 …オスマン帝国が創始。トルコ人騎士(シパーヒー)に徴税権付与。

 (3)ジャーギール制…ムガル帝国が創始。統治者を定期的に配置換えしたのが特徴。

 

問われているのは「ティマール制で徴税権を認められた者」なので、答えはシパーヒーになります。

 

 

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