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4つの要素で見る高校入試と大学入試の違い|仙台駅前教室
2020年08月21日
~大学入試と高校入試は何が違うのか?~
このコラムは、真友ゼミ仙台校の佐藤が「昔、中高生だった頃の自分に伝えたいこと」を、今まさに中学生・高校生の皆さんにお伝えしていくモノです。『後悔先に立たず』、進路や勉強の悩みを解決する糸口の一つとして、ちょっと長い時もありますが、ぜひ読んでくださいね! |
新潟や仙台、または全国の中高生の皆さん、日ごろから学校や塾での勉強お疲れ様です!
さて、今回は大学入試の基本的なお話しです。
今や高校生の約半分が大学進学をしている状況。
2019年3月に卒業した高校生は、54.8%が大学・短大進学(ほぼ4年制大学)、16.3%が専門学校、17.5%が就職という進路結果でした。
なので、半分近くの高校生が何かしらの受験方法で大学入試を経験するわけですが、それなりの大学を目指す場合は学力試験、つまり一般選抜試験(一般入試)を避けては通れません。
(AO・推薦入試も学力を重視する傾向が強くなってきているので、いずれにせよ勉強は避けては通れない)
その一般選抜ですが、高校入試の時と同じように考えて失敗していく高校生が後を絶ちません。
そこで!ここでは大学入試と高校入試がどんな風に違うのかを簡単にお話ししていきます!
実際に真友ゼミの個別説明会の中で高校1年生や大学受験が初めてのご家庭に大学入試の難しさを知ってもらうために話すことが多い内容です。
当てはまる方は、ぜひご一読ください!中学生の皆さんも事前に知っておいて損はありません!
4つの要素から見る、大学入試が高校入試よりも難しい理由
希望者が多い公立高校入試と国公立大学入試の一般選抜を中心に比べてみましょう。
①入試日程の違い
高校入試の場合、入試本番は3月に実施されます。
私立高校も、専願と併願は1月末~2月が多いですが、一般選抜は公立高校入試後の3月中旬に行われますよね。
一方で大学入試の場合、最初の学力試験である”共通テスト(※)“が1月中旬に実施されます(その後2月25日~26日に各大学の個別学力試験)
つまり、入試本番の時期が高校入試に比べて約2ヶ月早くなります。
高校入試の時は部活引退後の追い込みで何とかなったとしても、大学入試では単純に時間が2ヶ月分すっぽり減るわけですので、たいていは何とかなりません。
(※)国公立大学を受けるために必要な試験。私立大希望の受験生も受ける人は多い。
②受験科目の違い
高校入試はご存知の通り、英国数理社の5教科ですが、大学入試ではさらに細かく“科目”が設定されています。
標準的な国公立大学を受験する際に必要な受験科目は以下の通りです。
教科
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受験科目
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備考
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英語 | 英語 | 筆記とリスニング試験 今後は英検などの民間試験でスピーキング試験も必要となる予定 |
国語 | 国語 | 現代文・古文・漢文の3要素が含まれる |
数学 | 数学Ⅰ・A | 合計2科目 1年生で数学Ⅰと数学Aを習う 2年生で数学Ⅱと数学Bを習う |
理科 | 物理 | 左から自分の志望校に合わせて2~3科目を受験 文系なら「基礎」がつく科目を2つ受験、 理系なら「基礎」がつかない科目を2つ受験がよくあるパターン |
社会 | 日本史 | 左から自分の志望校に合わせて1~2科目を受験 文系なら地歴1つ+公民1つ、理系なら地歴から1科目が標準的な選び方 |
※細かい科目は省いています
以上から志望校が求める科目を選択して受験をしますが、標準的な国公立大受験の場合は7~8科目になります。
つまり、高校入試よりも2~3つほど勉強するモノが増えてしまいます。
しかも学習内容は中学生以上に難解で深くなります。
また、高校3年生になってようやく習う科目もあるので、1、2年生のうちに苦手な科目を何とかしておきたいですね。
③ライバルが強い
高校入試の時は主に市内の中学生がライバルでしたね。
ほとんどの生徒が同じ教科書で勉強をし、内申点によってチャレンジする高校を決めるので、受験生は大体同じような学力です。単純に学校内での成績がそのまま高校入試の実力とみなすことができました。
しかし、大学入試ではライバルが全国に広がります。
新潟高校を希望する受験生は新潟市内の中学生が中心ですが、新潟大学を希望する受験生は新潟県内はもちろん周辺の県からも受験をしてきます。東北大学ともなればそれこそ全国からライバルが集まります。
また、中学校と違って使う教科書のレベル(授業の難易度)が高校によって変わります。
そうすると、当然自分よりも難しい授業を受けてきた高校生が大学受験の時にライバルとして登場することも多々あります。学校の成績=受験の実力では無くなるわけです。
つまり、学校の成績が良くても大学入試で失敗することもあり得ます。
大学入試においては、自分が今いる環境から早めに全国レベルを意識する必要があります。
さらに!大学入試には「浪人生」もライバルとして登場してきます。
浪人生には学校がありません。自分の志望校合格に必要な勉強だけを1年間積み上げてきたライバルです。
この浪人生ともイス取りゲームをしなくてはいけないのが大学入試です。
④倍率が違う
高校に比べて大学の数は少ないので、当然倍率は高くなります。
高校入試では倍率が2倍にもなれば超高倍率で、大抵の高校は1.1倍~1.5倍程度です。
では、大学入試ではどうか。
例えば新潟大学の人文学部は新潟県内の高校生にも人気の進学先ですが、2020年度の志願倍率は2.8倍でした。同じく人気のある新潟県立大学の国際地域学部は8.9倍(全試験日程平均)
学部や学科によっては1.3倍なども見られますが、人気のある進学先は2倍以上がほとんどです。高いところは10倍を越えます。
つまり、高校入試は合格者の方が多いですが、大学入試は不合格者の方が多い入試になります。
イスの数が高校よりも少ない上に全国からイスを取りに来るのですから当然と言えば当然ですね。
早めに意識して損することは無い!
以上、4つの要素で高校入試と大学入試を比較しました。まとめると、、、
①2ヶ月早く入試本番がやって来る
②2ヶ月早くなるくせに受験科目が増えて内容が難しくなる
③しかも全国からライバルが集まるし、浪人生もいる
④結果、倍率が高校入試より高いから失敗する可能性の方が高くなる
倍率は場合によっては同じくらいか高校入試の時より低くなることもありますが、それ以外の3要素だけ見ても高校入試よりも大変になることは目に見えています。
高校入試の時のように「部活終わってからでも間に合うでしょ!」と勘違いをしてしまった結果、高校3年生の夏~秋ごろに「時間が足りない・・・」とようやく気づき始めます。高校入試の時に追い込みで何とかなってしまった人は特に注意ですね。
途中でも書きましたが、今の自分の状況を「学校内ではなく全国の中でどうか」を意識するだけでだいぶ違います。
ぜひ早めに意識をして大学受験が成功する可能性を少しでも引き上げましょう!
◆大学受験を終えた先輩たちからのアドバイス
今から受験勉強でやった方がいいこと